オストメイトと、山岳パトロール

 

 連休で高速は大渋滞という予測をしておったから、深夜に腹のパウチを交換してからゆっくり寝て、起きてリアルタイムの道路状況を確認した。

 こういう日は直前まで猿の群れの動向を監視して、行き先は考えるに限る。

 東名・中央・関越・東北は怪しいから、昨日は常磐道で福島に向かった。

 昼過ぎに予定する登山口に到着して、紅葉の山々を歩くことにした。

 のっけから急登の古い階段地獄で、血圧が高めな日が続いていたので用心して休み休み登って行ったが、それでも里山でも 舐めたらあかんぜよ! という大汗をかいた。

 山頂直下からロープに鎖にと岩々登りが始まって、頸動脈をドクドク言わしながら辿り着いた山頂では素晴らしい紅葉を満喫して来た。

 天気はイマイチだったが回復傾向、小雨にやられても雨具を防寒がわりに着ておれば降りる頃には乾くという見立てで食事道具もザックから取り出して軽装で登り始めていた。

 里山は作業路が入り組んでいるから道迷いし易いし、人もいなけりゃ~こんがらがる。

 しばし休憩して夕陽に輝く紅葉を眺めていたら暗くなって来たので、ヘッドライトを装着して岩場をゆっくり降りて行った。

 キツイ勾配が緩くなった暗い杉林の鞍部で、一人のオヤジが立っていた。

 ・・・ヘッデンつけてるから安心しましたよ、先月もここで2組が遭難してるのよ、春先には2人が滑落して死んでるしね~

 ・・・あ~、ダイジョウブだよ! 里山も高い山も毎週だからオラは用心してる

 70代だろうか、よくよく見ると 山岳パトロールの標章をつけた服を着ていた。

 ・・・あとを継いでくれる山岳パトロールがいないから、健康の為にと続けてんだべさ

 ・・・備品代くらいしか出ないんだろうに、エライね~

 ・・・登りは階段地獄で来たんかい? 1300段はあるから、あれは下りに使っても膝に来るさ

 ・・・そんなにあったんだ? 日光のキスゲ平の階段は1400だっけ? 赤薙や女峰山に行く前に一度バテる奴だな~

 ・・・そうそう、あんなにキレイで整備されてないからこっちのはキツイよ

 ・・・道理で息があがってペースを落としたから、血圧のせいだろうと思ってた

 ・・・こっちの下におらの軽トラを停めてるから、駐車場まで乗ってくか? どうせ通る道だ

 ・・・じゃ~、お言葉に甘えてそうしようっか!!

 ということで、色んな山の話をしながら、のんびり愉快に降りて行った。

 東北大地震で大岩がいくつも転がり落ちて、軽なら上がれた獣道が塞がっていた。

 一般車は入れない獣道を、パトロールの軽の4駆で飛び跳ねて降りて行った。

 おかげで時間を大幅に短縮できたから、帰路は下道で茨城フラワーパークに寄ってライト・アップを見て、美味い飯も喰えた。

 のんびり出発しても、こうやって土地・土地での色んなコミュニケーションの場があり、お喋り爺ィには良いことは多いんだな~。

 若い時分から日本中で暮らし激しい営業の仕事をやっていたおかげでもある。

 画面の前で解ったようなことを抜かしてる連中には解らない愉しみだ。

 血圧も、今朝は下がって安定してるから、安静より鍛錬の方が俺には合ってる。

 

 熊の出没騒動は山の実りが今年は少なかったのもあるが、鹿や猪とともに数が増えて、そんな獣も棲んでいる場所でボ~っと生きてる現代人の日常にも問題はある。

 その対処法を聞いて見ていると、馬鹿じゃ~ね~の? という話ばかりだ。

 お前ら毎週まいしゅう奥山を歩き登っているのか? 現実を自分の目で見ているのか? と可笑しくなってくる。

 鹿の角研ぎ痕と熊の爪研ぎ痕の区別もつかないようなお子ちゃまたちが騒いでいたって、それはカモシカ? 大猪? という見間違いも多いのさ。

 画面ばかり見て暮らしている大人社会は、目の前に実物が登場すると愕然とする猿ばかりで、電話営業やメール営業をオシャレにやってる連中のオフィスに直接乗り込んでいって、机を叩きながら怒鳴ってやりゃ~おとなしくなるのと同じさ。

 高市総理の自惚れ言い過ぎ失言で中国と諍いが始まってるが、向こうはこんな島国ごとき眼中に無いだろうに、自画自賛で今の怖ろしい先進国中国を知らないメディア奴隷のボケ作たちがホザイテいるのもおんなじ景色だ。

 最期まで、斜陽の元世界覇権国英国系の黄色い猿が集う植民地で終わるつもりらしい。

 トランプが安倍元総理を信頼していたとか仲が良かったとか、だから中国に対しても強硬に出ているとしても、これももっと上空ではトランプは習に遜って交渉をしていることを見て居ればただの植民地のミミッチ~自画自賛だ。

 オチはいつもの米国からの兵器購入、戦争にもならない桁違いの大きな相手を仮想敵国にしているが、要は米国に貢げば話は終るだけ。

 善良なる庶民という、訳のわからないメディア奴隷な衆愚の群れは阿呆面して頷いてる。

 地球や宇宙のことも、人間の世界のことも、常に現場にいなければナニも解らない。

 画面でモノ知り博学になったと自画自賛しても、クイズ番組で役に立つレベルの猿だ。

 エリートや高学歴と言ったところでそんなレベルの猿の集まり、呆れるド阿呆な連中が多すぎるからこそ、この島国は世界の笑いモノになっている。

 

 独創・創意工夫が出来ないのが現代人のメディア奴隷の最たるところで、金を出して買う、金を出して頼む、金を出して済ませる・・・日夜を消費で暮らしている猿だ。

 俺はオストメイト身体障害者となってすぐに、海で遠泳したい、山に登りたいと健常だった時にやっていた日常に戻すべく、オストメイトの装具や小道具を自作して使ってみて、その都度に支障が出れば色んな工夫を凝らして創り直して試していた。

 オストメイトの装具は国産品などロクなものが無いし、病院やWOCで紹介されるモノなんざ俺のようなハードな日常には役に立たない劣悪なモノばかりだった。

 ならばと海外のオストメイトアルピニストの連中の情報を集め、オストメイトでもダイビングを続けて居る連中の情報を集め、自作の品々を毎晩試作しては現場で使ってる。

 自作の良いところは安く済み、しかも自分の体形や行動に合ったオリジナルを手に入れることが出来る点だろう。

 自作をしているうちに夢中になってしまい、余計なモノまで色々と作ったもんだったが、実際にいま現在に使っているモノは僅かになった。

 そう、毎週どこか高い山に登り、夏は毎週どこかの海で遠泳している生活を10年も続ければそうなってくる。

 この10年、毎週のように山や海の帰りに源泉に浸かっているが、いまだに同じオストメイトと出会ったことがない。

 言われるがまんまビクビクと籠って生活しているよりも、なんでも全て自分の限界まで生きてみて、初めて真実というモノは手に入る。

 身体障害者を喰いモノにする日本人や企業や民間・公共の団体ばかり、呆れ返るぜ。

 酷い現実を知れば、メディアやマニュアルなんざ嘘ばかりという笑い話になる。

 そんな島国に皆さんは生きて居る訳だ。

 

 ま~、しっかりやんなさいよ。

 想っている未来はやっては来ないだろうがね。

 持ち越している短期はまた暴騰して、のんびり小遣い頂くよ。